計画段階で注意すべきこと
多くの場合、店舗の選定、契約、改装などが、風俗営業許可の申請と同時並行に進めることになると思われますが、バタバタして忙しい中でも次の点には十分注意して作業を進めてください。
① 申請は法人で行うのか個人で行うのか?
申請の主体を法人にするか個人にするか迷われる方も多いと思われます。
この場合、物件の賃貸借契約を法人で締結するか個人で締結するかで、風俗営業許可申請の際の添付書類の取り方が変わってきますので、この点は気を付けなければなりません。
② 店舗賃貸借契約の前に必ず現地調査を!!
現地調査をした結果結果、その店舗が営業禁止区域にあったり、あるいは近くに保護対象施設が見つかった場合、その場所での許可は下りません。
それを知らないまま賃貸借契約を締結してしまい、後で判明した場合でも、保証金や仲介手数料などの契約費用が返還されないこともあります。
◎営業所設置が禁止されている場所
「住居専用地域」
- 第一種低層住居専用地域
- 第二種低層住居専用地域
- 第一種中高層住居専用地域
- 第二種中高層住居専用地域
「住居地域」
- 第一種住居地域
- 第二種住居地域
「準住居地域」
※商業地域の周囲30m以内の住居地域及び準住居地域には設置可能
◎保護対象施設
「100m(商業地域においては50m)以上離れていなければいけない施設」
- 幼稚園
- 小学校・中学校・高等学校
- 中等教育学校
- 特別支援学校(盲学校、聾学校、養護学校)
- 高等専門学校(学校教育法1条に規定される学校に限る)
「70m(商業地域においては30m)以上離れていなければいけない施設」
- 大学
- 図書館
- 児童福祉施設等(認可保育所・助産施設・乳児院・児童家庭支援センター等)
- 病院(20人以上の患者を入院させるための施設を有するもの)
- 診療所(19人以下の患者を入院させるための施設を有するもの)
③ 店舗の構造が審査要件に適合するかをCHECK!!
たとえば、店舗がL字型になっているところなどは、客室内に「死角」となる場所があると指摘され、この部分を客室として使用できなくなる場合があります。そして、許可後にこのスペースを「客室」として使用すると、無承認構造変更として取り締まりを受けることもあります。(客席数の減少⇒売上の減少につながります)
せっかく探したお気に入りの店舗にケチがついてしまっては元も子もありませんので、店舗選びの際は十分に下調べをして臨むことが肝要です。
④ 審査要件に適合しない内装工事はダメです!!
私どもが途中から相談を受けるケースで、内装工事がほぼ完了していることがあります。
審査要件を把握してくれている業者さん(内装・電気・設備)であれば良いのですが、そうでない場合、公安(警察)の立ち入り検査の際に改善命令が出て、結局、完成間近の店舗を全部やり直すハメになることもあります。(多いのが、間仕切り高さ不適、排煙窓不適、調光照明などです)
このようなトラブルを避けるためにも、事前に警察署に相談いただくか、我々専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。
⑤ 防火管理者をどうするか
店舗の収容人員が30人以上の場合には、防火管理者の設置が義務付けられます。
国分町界隈の飲食店ビルの多くは、各店舗の防火管理者を業者さんに委託してくれますが、これが無い物件ですと、自分で講習を受けて、消防計画をたてて消防署に届けたりする手間が掛かったりします。
ですから、お店選びの際には、ぜひこの点にも気を付けていただきたいと思います。