食品衛生法施行条例改正に関して

新しい営業許可・届出制度について

令和3年6月1日から新しく営業届出制度がスタートし、許可業種及び届出不要業種以外の営業者は保健所に届出を提出することとなりました。

 

A.食品衛生法の許可が必要な業種(32業種)

①飲食店営業 ②調理機能を有する自動販売機により食品を調理し、調理された食品を販売する営業 ③食肉販売業 ④魚介類販売業 ⑤魚介類競り売り営業 ⑥集乳業 ⑦乳処理業 ⑧特別牛乳搾取処理業 ⑨食肉処理業 ⑩食品の放射線照射業 ⑪菓子製造業 ⑫アイスクリーム類製造業 ⑬乳製品製造業 ⑭清涼飲料水製造業 ⑮食肉製品製造業 *⑯水産製品製造業 ⑰氷雪製造業 *⑱液卵製造業 ⑲食用油脂製造業 ⑳みそ又はしょうゆ製造業 ㉑酒類製造業 ㉒豆腐製造業 ㉓納豆製造業 ㉔麺類製造業 ㉕そうざい製造業 ㉖複合型そうざい製造業 ㉗冷凍食品製造業 ㉘複合型冷凍食品製造業 *㉙漬物製造業 *㉚密封包装食品製造業 *㉛食品の小分け業 ㉜添加物製造業

 

※ 業種ごとの定義・対象についてはこちらをご覧ください

※ *印の5業種は新たに営業許可が必要となった業種です

 

B.食品衛生法の届出が必要な業種(A.32業種+C.5業種以外の全業種)

*①魚介類販売業(包装済みの魚介類のみの販売) *②食肉販売業(包装済みの食肉のみの販売) *③乳類販売業 *④氷雪販売業 *⑤コップ式自動販売機(自動洗浄・屋内設置) ⑥弁当販売業 ⑦野菜果物販売業 ⑧米穀類販売業 ⑨通信販売・訪問販売による販売業 ⑩コンビニエンスストア ⑪百貨店、総合スーパー ⑫自動販売機による販売業(⑤のコップ式自動販売機及び営業許可の対象となる自動販売機を除く) ⑬その他の食料・飲料販売業 ⑭添加物製造・加工業(法第13 条第1項の規定により規格が定められた添加物の製造を除く) ⑮いわゆる健康食品の製造・加工業 ⑯コーヒー製造・加工業(飲料の製造を除く) ⑰農産保存食料品製造・加工業 ⑱調味料製造・加工業 ⑲糖類製造・加工業 ⑳精穀・製粉業 ㉑製茶業 ㉒海藻製造・加工業 ㉓卵選別包装業 ㉔その他の食料品製造・加工業 ㉕行商 ㉖集団給食施設 ㉗器具、容器包装の製造・加工業(合成樹脂が使用された器具又は容器包装の製造、加工に限る) ㉘露店、仮設店舗等における飲食の提供のうち、営業とみなされないもの ㉙その他…

 

※ *印の5業種は営業許可から届出に変わった業種です

 

C.届出対象外の業種(5業種)

①食品又は添加物の輸入業 ②食品又は添加物の貯蔵又は運搬のみをする営業(ただし、冷凍・冷蔵倉庫業は除く) ③常温で長期間保存しても腐敗、変敗その他品質の劣化による食品衛生上の危害の発生の恐れがない包装食品の販売業 ④合成樹脂以外の器具容器包装の製造業 ⑤器具容器包装の輸入又は販売業

飲食店営業許可の施設基準について

居抜きの店舗を引き継いだのにもかかわらず、許可申請の際あるいは店舗の検査の際に「許可基準を満たしてない」と指摘されたケースが急増しています。これも県食品衛生法施行条例の改正にともなう変化です。以下は、仙台市の施設基準と当事務所に入ったトラブル事例です。

 

設備基準1「区画」

施設基準詳細 食品等への汚染を考慮し、公衆衛生上の危害の発生を防止するため、作業区分に応じ、間仕切り等により必要な区画がされ、工程を踏まえて施設設備が適切に配置され、又は空気の流れを管理する設備が設置されていること。
 トラブル要旨 調理室はしっかりとした壁で区切られ、出入口も容易に第三者が出入りできる構造でないことが必要で、原則は「ドア」が必要になる様です。ほとんどの飲食店では、調理室に客室が面しており、この場合はパタパタ扉(スイングドア)で良いことになるのですが、例えば雀荘やゲーセンの場合で、客室と離れた場所に調理室がある場合は、原則通り「ドア」が必要になる様です。

 

設備基準2「構造」

施設基準詳細 じんあい、廃水及び廃棄物による汚染を防止できる構造又は設備並びにねずみ、昆虫等の侵入を防止できる設備を有すること。食品等を取り扱う作業をする場所の真上は、結露しにくく、結露によるかびの発生を防止し、及び結露による水滴により食品等を汚染しないよう換気が適切にできる構造又は設備を有すること。
 トラブル要旨

これは私が体験した話ですが、どんな軽微な調理をするとしても、レンジフードあるいはそれに近い性能を有した外気に直接通じた換気扇が必要との指摘を受けました。(空調の換気口ではダメなんだそうです)

換気扇がついてなければ、壁に穴をあけて工事をする必要があると指導されたのです。

 

設備基準3「床・壁・天井」

施設基準詳細 床面、内壁及び天井は、清掃、洗浄及び消毒(以下この表において「清掃等」という)を容易にすることができる材質で作られ、清掃等を容易に行うことができる構造であること。
 トラブル要旨

これも私が体験した話ですが、調理場のカーペット貼りはダメです。また、調理場を通ってトイレに入る構造、これもダメです。私の場合は、トイレのドアの位置を変える大掛かりな工事をしました。

 

設備基準4「便所」

施設基準詳細

次に掲げる要件を満たす便所を従事者の数に応じて有すること。

 ①作業場に汚染の影響を及ぼさない構造であること。

 ②専用の流水式手洗い設備を有すること。公衆衛生上支障がない位置にあること。

 トラブル要旨

これに関するトラブルは今のところ聞いていません。共用トイレしかないところでも許可が下りたケースがあります。

 

設備基準5「手洗い設備」

施設基準詳細

従事者の手指の洗浄及び消毒をする装置を備えた必要な数の流水式手洗い設備を有すること、並びに水栓は洗浄後の手指の再汚染を防止できる構造であること。

 トラブル要旨

これに関するトラブルが一番多いです。以前は、トイレのほかにもう一か所手洗いがあればだいたい大丈夫だったのですが、今は、調理場のなかに従業員専用の手洗いが必要になりました。シンクでもいいのですが、食器用の層と共用はダメで、この場合は二層シンクである必要がありますし、排水の要件もある様です。蛇口のハンドルも条件があり、これらを全部書くのは難しいため、所轄の保健所か当事務所宛に電話で聞いてみてください。

行政書士 宮城中央事務所 ☎ 022-762-9434

 

設備基準6「洗浄設備」

施設基準詳細

食品等を洗浄するため、必要に応じて熱湯、蒸気等を供給できる使用目的に応じた大きさ及び数の洗浄設備を有すること。

 トラブル要旨

 

設備基準7「保管設備」

施設基準詳細

原材料を種類及び特性に応じた温度で、汚染の防止が可能な状態で保管することができる十分な規模の設備を有すること。

 トラブル要旨

 

設備基準8「ごみ容器」

施設基準詳細

廃棄物を入れる容器又は廃棄物を保管する設備については、不浸透性の材質を用い、十分な容量を備えており、清掃がしやすく、汚液及び汚臭が漏れない構造であること。

 トラブル要旨

 

設備基準9「水道水」

施設基準詳細

水道事業等により供給される水又は飲用に適する水を施設の必要な場所に適切な温度で十分な量を供給することができる給水設備を有すること。

 トラブル要旨